一人だと遊んじゃって絶対勉強しない
都内の私立大学に通う20代女性・Bさんは、中高一貫の女子校出身。「それなりの進学校」に通っていたというBさんが、塾に通うようになったのは、やはり友達の影響だった。
「高2になって、仲が良かった友達がみんな塾に行くようになりました。高校は全員が大学進学するような学校で、先生たちも合格実績を重視する感じ。授業も受験対策が意識されていて、学校の勉強に不安があったわけでもないんですけど、みんなと同じほうが安心するというか。仲が良い子たちと一緒に、同じ塾に通いました。
今思えば、とにかく、自分がしていないことを同級生がやっている、というのが不安で仕方なかったんだと思います。私は一人だと遊んじゃって絶対勉強しないから、誰かと一緒のほうがするかな、という期待もありました」(Bさん)
学校とは違う塾という空間への“憧れ”もあったという。
「女子校だったので、塾に通う目的として、『彼氏が見つかればいいな』と言う人もいました(笑)。目標が同じぐらいの人が集まるので、そういう意味では価値観が似ている人を見つけやすいのかもしれません。いずれにせよ、ライバルがいる空間だからこそ、勉強しなくちゃという思いにつながったので、私は行ってよかったと思います」(Bさん)
Bさんは、塾は「安心感のために行くところ」だと振り返る。
「地方出身の大学の同級生は、『東京の人って、みんな塾行くよね?』と驚いていました。たしかに、東京は情報が多すぎて、不安が煽られている面もあると思います。周りに塾がなかったら、それはそれでなんとかしようとするのかもしれません」(Bさん)