「ネットのレポートで見たのと一緒だー」
年が明け、予約していた福袋が到着。どれも使いまわしもできそうなデザインで、とても満足のいく買い物だったそうだ。早速、学生時代の友人たちとの新年女子会で着ていくことに。それが大きな問題となってしまう。
「コロナ禍もあり、女子会に参加するのは久しぶりでした。大好きなファッションブランドの服を着てウキウキした気持ちで女子会に向かったのですが、そこで真っ先に言われたのが、『○○(ファッションブランド名)の福袋の洋服だよね? へー、こんな感じなんだー。ネットのレポートで見たのと一緒だー』という言葉。
学生時代からなんでも言い合える仲間だと思ってはいましたが、さすがにきつかったです。洋服も、気に入って着ていたはずなのに、なんだか一気に恥ずかしくなっちゃって……」
友人たちの間でも人気のあるファッションブランドだったため、福袋で手に入れたスズカさんのトータルコーディネートは一気に注目の的に。「コート、結構ペラいね」「これって福袋専用商品よね? 店で見たことない」「福袋なんて買わないで、店で選んで買えばいいのに」などの心無い言葉が行き交ったそうだ。
「私だってこのコーディネートが福袋に向けて作られた商品であることは薄々気づいていました。でも私にとっては贅沢な買い物だったし、親しい仲とは言え、まさかそこまで言われると思っていませんでした。街ですれ違う他人からも同じようなことを思われているのかと思ったら、着るのを躊躇ってしまいます」
その洋服たちは、女子会の後、即、フリマアプリに出品したとのこと。閲覧数が多いので、近々売れるのではないかと話していた。数日経ってもモヤモヤが晴れず、女子会メンバーたちとは今後、距離を置くつもりだそうだ。
コロナ禍や世界的な原材料費・物流費などの高騰による物価高が顕著な昨今、スズカさんに限らず、かつては当たり前に買っていた洋服を、今では贅沢品に感じている人も多いのではないだろうか。ものに対する価値観は様々でいいはずだ。茶々を入れてくる人に流されすぎないようにしてほしい。(了)