毎年、お正月の恒例となっている初売りでの福袋。かつては中身がわからないものが主流だったが、昨今では中身の情報が先にわかるものも増えている。個別の商品を買うよりお得になっているケースがほとんどで、楽しみにしている人も少なくないだろう。しかしそれでも、様々な理由から福袋を購入しなくなった人たちがいるようだ。“福袋離れ”した彼ら/彼女たちの話を聞いた。
“改悪”に落胆の声
「コーヒーが好きなので、毎年、有名コーヒーチェーン店の福袋を買っていました。でも来年のものは明らかに中身が減り、お得感がなくなったので、今回は見送ろうと思っています」
そう話すのは、メーカーに勤める30代女性・Aさんだ。必ず消費するコーヒー豆など、食品・飲料系ならコスパが良いと考えていた。実際、その店の2020年の福袋はかなりお得で、大満足したという。
「1万円の福袋はコーヒー豆5種類やドリップバッグ、そのコーヒー店なら全国で使えるドリンクチケット20枚、ステンレスボトル、はちみつなどがついていて、ドリンクチケットとコーヒー豆関係だけで十分元が取れたんです。それが、2022年のものの情報を見ると、コーヒー豆の量が減り、ドリンクチケットの枚数も少なくなって、お得感がだいぶ減っていました。
とはいえ、感覚的には豆とドリンクだけで1万円くらいだから、ボトルがおまけでついてくると思えば、もちろんお得ではあります。ただ、コーヒー好きあるあるかもしれませんが、ボトルって、そんなに何個もいらないんですよね(笑)」(Aさん)
Aさんは、お気に入りのスイーツチェーン店の福袋も「だんだんケチになっている気がする」と嘆く。
「以前は使用期限なしで、お釣りも出るギフト券が入っていて、メニューも好きなものを選べたのに、2022年は期限付きでメニューも指定があり、お釣りが出ないスマホチケットになってしまいました。それなのに1000円値上げです。毎年、コーヒー店とこのスイーツ店に絞って福袋を買っていましたが、今回は何も買わないかな……。原材料の高騰とか、お店側の事情はいろいろあると思うんですけどね」(Aさん)
セールで欲しい物を買った方がいい
福袋の“ギャンブル性”を楽しんでいたが、買わなくなったという人もいる。IT企業に勤務する30代男性・Bさんだ。
「以前は、いくらお得に買えたのか計算したり、“失敗”もネタとして楽しかったんです。絶対自分では選ばないようなものが入っているのも面白く、家族や友人と同時購入しては見せ合っていました」(Bさん)
しかしBさんは、そんな楽しみ方ができなくなったという。
「最近は、中身が見えて失敗が少ない福袋が多いですよね。でもそれなら、セール期間に、自分がほしいものを買うほうがいいというか……。一度そう感じてしまうと、もう今は中身が見えない福袋があっても買う気にならないかもしれません」(Bさん)