例えばNISA(少額投資非課税制度)拡充だ。株や投資信託など金融商品で得た利益(値上がり益や配当、預金利息など)には約20%課税されるが、NISAは一定の投資額までは利益が非課税になる制度だ。「一般NISA」と毎月積み立てる「つみたてNISA」の2タイプがある。つみたてNISAで月3万円、年率3%で10年間運用した場合の節税額は12万円、20年運用なら53万円だ。
その制度が2024年1月から大きく拡充される(別表参照)。
3重の節税メリット
ファイナンシャルプランナーの柘植輝氏がそのメリットを語る。
「新NISAは非課税枠が大きくなって、かつ非課税期間が恒久化される。売っても枠内であればまた買い足せるので株が下がる局面で売って、上がる局面で買うという柔軟な取引ができる。
一般NISAとつみたてNISAの併用も可能になります。例えば、病気をしたとか、孫が生まれたとか、一時的におカネが必要な時、今まではつみたてNISAを取り崩すという視点にはなかなかならなかったが、新制度では120万円の枠の中であれば1年間で何回売り買いしても非課税が続くから、必要な時に取り崩しやすく、流動性の高い取引ができるようになります」