値上げ前に「不揃いバウム」を爆買いする予定
食品では「不揃いバウム」シリーズも、150円から180円に値上げされる。30代女性・Bさん(IT企業勤務)が嘆息する。
「小腹がすいた時にちょうどいいので、重宝していました。家には常時ストックしている状態なので、値上げ前に爆買いする予定です。価格維持が無理というのなら仕方ないですよね。ただ、150円という価格がちょうど手が出しやすかったのは事実。180円になると、これまで900円あれば6個買えていたものが5個しか買えなくなるということ。新価格に慣れるまでは気軽な気持ちで手に取れないかもしれません。
といっても、今まで何も考えず、“バウムを買うなら無印良品”と勝手に決めていただけな気もしています。どうせならこの機会に、無印良品以外の商品も“新規開拓”してみようかなと思っています」(Bさん)
ポリプロピレンファイルボックスは約50%値上げ
雑貨や衣類では、「ポリプロピレンファイルボックス」や「脇に縫い目のない 二重ガーゼパジャマ(紳士・婦人)」など値上げの対象だ。40代女性・Cさん(印刷会社勤務)は動揺を隠せない。
「値上げは全体の2割程度の商品ということですが、我が家で使っているものが多いんです。ポリプロピレンファイルボックス、ポリプロピレンの収納ケースなどの収納を愛用していますが、値上げ幅が大きすぎる。ポリプロピレンファイルボックスなんて50%以上(380円→590円)アップとのことで、この値段ならいっそ100円均一とか、300円均一ショップで探そうかなという気持ちになってしまいます。
といっても、これまで収納はほとんど無印良品で揃えているので、いきなり他のメーカーのものも入れづらい。せっかく無印良品ライフを楽しんでいたのに、家計にとっては厳しいですね……」(Cさん)
Cさんは値上げ以前から、最近“無印良品らしさ”が薄れているとも感じていただけに、今回の値上げのショックは大きかったという。
「無印良品は、もともと低価格ながらシンプルで良いものというイメージがあったものですが、もはやそれはないですね。むしろニトリでいいやとか、100円均一でいいやと思うことも増えて、無印良品は“少し価格が高いおしゃれなもの”というイメージになりつつありました。さらに今回の値上げで無印良品は“高級品”に近づいたように感じます」(Cさん)
今回の価格改定にあたって無印良品は、〈物価高騰の中での厳しい日常生活への対応や、地球環境対応を含む、未来に向けた生活や商品の在り方を考え、「家具の月額定額サービスの本格化」「プラスチック商品のリユース・リサイクル・代替素材商品への100%移行推進」「価格改定前と同一価格での代替新商品の開発、販売」〉を行うと発表している。たしかに愛用者たちにとって値上げの衝撃は少なくないようだが、こうしたサービスが新しい“無印良品らしさ”をもたらすきっかけとなるか、注目したい。(了)