今週は12日に米12月消費者物価指数(CPI)が発表予定だ。食品・エネルギーを除いたコア指数では前年比+5.7%(11月:+6.0%)、前月比+0.3%(11月:+0.2%)と予想されている。ただ、すでに年明け以降に発表された一連の雇用関連の指標やFRB高官のタカ派発言を受けて、インフレ・金融引き締め長期化への警戒感は高まっている。このため、CPIが予想を大幅にでも上回らない限りは、株式市場は一旦はあく抜け感で買い戻しが進みそうだ。
一方、週末には米国でJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど金融大手の決算が予定されている。景気後退懸念が強まっている中、JPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO)など各経営陣の実体経済への見解などが注目され、内容を見極めたいとの思惑から、CPI後の買い戻しの機運はさほど高まらないとみる。
他方、国内では、小売やサービス、情報・通信といった内需セクター企業の9-11月期決算の発表が多数ある。国内ではリオープン・インバウンド需要を背景に関連企業の堅調な業績が期待され、世界景気の後退懸念が強まる中、株価についてはポジティブな反応が出やすいと考える。一方、製造業決算の先駆けとして注目される安川電機<6506>の決算は10日に予定されているが、受注の鈍化などが警戒され、冴えない株価反応が予想される。今週は決算を受けた個別株物色が主体となりそうだが、セクターでは外需敬遠・内需選好の動きが加速しそうだ。
今週は9日に米11月消費者信用残高、10日に12月都区部消費者物価指数、11月家計調査、安川電機など決算、11日に11月景気動向指数、ABCマートなど決算、米10年国債入札、12日にファーストリテイリングなど決算、米12月CPI、13日にイオンなど決算、米1月ミシガン大学消費者信頼感指数、米JPモルガンなど金融大手決算、などが予定されている。