家族が喜ぶのは梅干しより鮭フレーク、キムチ
メーカーに勤務する30代女性・Bさんは、家族ともども酸っぱさが苦手だと明かす。
「酸っぱいものが苦手なので、梅干しも基本的には苦手。お弁当に入っていたら、よけていたくらいです。おにぎりを買う時も、たらこや鮭、ツナマヨを選びます。夫は梅干しが嫌いなわけではありませんが、ご飯のお供としては梅干しより、鮭フレークやキムチ派。息子も鮭フレークの方が喜んでくれます」(Bさん)
そんなBさんだが、「梅味」のものは好きだという。
「ハチミツ入りの梅干しは好きで、一時期ハマっていました。息子も、“梅風味”のお菓子は食べられるようです。だから工夫次第で梅干しも食べられるようになるのかもしれませんが……」(Bさん)
「ちゃんとした梅干しは高くて手が出せない」の声も
そうした声がある一方、製薬会社に勤務する40代女性・Cさんは、梅干しが大好き。しかし価格が「手ごろ」ではないことを嘆く。
「私は実家が梅の産地に近かったこともあって、梅干しは親が家で作っていました。その流れで、梅酒や梅ジャムも家で作っていたものです。でも、梅干しを作るのって、結構大変な作業なんですよね。梅酒づくりも重労働に近いレベルでやっていたので、親も年齢とともに作らなくなりました。
東京で一人暮らしを始めた頃、梅干しを食べたくなってスーパーに行ったら、その高さにびっくりしてしまい、手を引っ込めたことがあります。時々お買い得だと思うものがあっても、原材料を見ると添加物や甘さが入っていたりして、そういうものは好みじゃないので、買いません。
私は手作りの梅干しに慣れていることもあって、昔ながらの、国産梅、塩、赤紫蘇の3種類だけで作ったようなシンプルな梅干しが好きなんです。でもそういったものを買おうとすると、ものにもよりますが、1キロ3000円~3500円ぐらいする。中粒~大粒の1粒が25グラムぐらいらしいので、1粒80円前後という計算になります。正直値上げラッシュが続いているなか、ご飯のお供よりは、どうしても肉や魚などのおかずを優先してしまいます。梅干しは、もはや高級食材。だから、もらったらすごく嬉しいですね」(Cさん)
そんなCさんが最近買ったのは、「つぶれ梅」。通常よりもお買い得な価格設定になっているもので、「よい買い物をした」と笑みを見せる。
はたして日本の食卓の「梅干し離れ」を食い止める打開策はあるのか──。(了)