■NTT×任天堂「メタバース産業で先行する中国に克つ」
同じNTTでも、『経済界』編集局長の関慎夫氏は提携相手にゲームメーカーの任天堂を推す。
「NTTはメタバース(ネット上の仮想空間)分野に力を入れているが、コンテンツをどうするかの問題がある。そこで、『あつまれ どうぶつの森』で実績のある任天堂と組めば、ウィンウィンの関係が実現するのでは」
この提携は、単にエンタメに限った話ではない。
「メタバースに代表される世界は、自動運転やアバターなどの先進技術を用いることで、これまでとは別次元のインターネット空間が広がろうとしています。そこで使われる通信5G、6Gは中国企業が先頭を走っている。
規模から考えても対抗できる日本企業はNTTしかない。しかし同社はかつて『iモード』の世界進出に失敗した経験がある。そこで、海外の知名度が高い『世界の任天堂』と組むことで、通信技術とキラーコンテンツを手にすることができ、メタバースで中国勢ら世界との勝負ができるはずです」
※週刊ポスト2023年1月27日号