■パナソニック×清水建設「最先端の月面住居を世界に売り込む」
前出の福田氏は、家電大手・パナソニックと建設大手・清水建設による「月面住居」開発も提案する。
「パナソニックはこれまで国際宇宙ステーションで使う掃除機や、宇宙船用のLED照明などを製造してきた実績から、2019年に『航空宇宙事業本部』を設立。1987年に建設業界で初めて宇宙開発に取り組み始めた清水建設は、現在『月面住居』の開発を進めています。
最先端を行く両社が組めば、安全で快適な月面住居を作ることができるでしょう。また『宇宙で使われた家電』という箔がつけば、存在価値が薄れつつある日本家電のブランド復活につながる」
■バンダイナムコ×リクルート「キャラクター×人材のシナジーが日本を変える」
メイドインジャパンのキャラクタービジネスに注目するのは、千葉商科大学准教授の常見陽平氏。
「バンダイナムコは今、知的財産(IP)メタバースに注力中。『機動戦士ガンダム』などを活用したメタバースサービスの準備を進めています。一方、リクルートは人材関連ビジネスの海外展開に長けている。
この2社が組めば、例えば“キャラクターの世界観を活かした研修プログラム”を作れるのではないでしょうか。人気アニメやキャラクターの世界観を通じてリーダーシップについて学ぶなど、メタバースで世界中のファン同士が繋がりながら、人材育成を行なうという新たな分野の可能性が見えてきます」
夢のある提携構想を、夢のまま終わらせず実現するリーダーは出てくるか。
※週刊ポスト2023年1月27日号