「骨壺」「書籍」は生前に処分したい
生前整理には思いもよらぬ「落とし穴」も存在する。山田氏が語る。
「空き家の処分で困った相談事例のひとつが『骨壺』でした。認知症の母を施設に入れるため実家を引き払おうと思ったら、引き取り手がなかった親族の骨壺が見つかったというんです。納骨しないで自宅に骨を保管する『手元供養』は最近では珍しくない。それで押し入れなどから骨壺が見つかることがあるんです。いきなりお骨が見つかっても処分に困ると思いますので、それとなく親に確認しておきましょう。
また、意外と処分費用がかかることがあるのが、『書籍』です。学術書などの分厚い書籍が大量にあると自力で処分できず、業者に頼まざるを得ない時もある。『大学教授だった親の蔵書の処分で100万円以上かかった』という話も聞きました。実家に本が多いなら、こまめに親に処分してもらうのがベストです」
悔いの残らない判断をするために、家族で力を合わせて準備するのだ。
※週刊ポスト2023年1月27日号