昨年7月の参院選で初当選した日本維新の会の中条きよし参院議員(76)の年金未納疑惑を『週刊文春(文春オンライン)』が報じて話題となっている。自営業者が加入する国民年金の保険料未納額は累積で約750万円になると報じられており、国会議員が国民の義務である年金保険料納付を拒んでいるのであれば、波紋はさらに広がりそうだ。
同誌の報道によれば、昨年の選挙の当選後に日本年金機構の職員が未納分を払うよう中条事務所に連絡するも、支払いがなされなかったという。数十年に及ぶ未納の累積額は約750万円になるが、保険料を支払っても国民年金(老齢基礎年金)の満額が年77万7800円であることを踏まえ、中条氏が「年金なんていらない」と主張しているとする関係者の談話も紹介している。
報道に対してネット上では、〈年金の納付は義務〉〈政治家をしちゃだめでしょ〉〈さっさと議員辞めてまえ!〉といった怒りの声が相次いでいるが、当然のことだろう。
年金制度は世代間扶養の仕組みであり、保険料納付は国民の義務だ。現役世代は高齢世代の生活を支えるために保険料を支払い、将来はさらに若い世代の保険料などを財源にしながら年金を受け取ることになる。“自分は年金なんていらないから保険料を払わない”などという理屈が通らないことは、少なくとも国会議員であれば当然、知っておかなければいけないはずだ
中条氏の事務所は週刊文春の取材に回答しなかったというが、今後、釈明に追われることは必至だろう。幅広い層の国民から怨嗟の声があがることになりそうだからだ。