同種の高級カップ麺としては、2021年2月に人気ラーメン店「一蘭」による「一蘭 とんこつ」が税込490円で登場している。「ラ王 濃香トリュフ醤油」は限定商品のため1月いっぱいで店頭完売の見込みというが、果たしてこのカップ麺の高級路線はあとに続く商品が出てくるのか。消費者に500円クラスのカップ麺を食べるスタイルが定着するのか。
前出の日清食品・担当者によると、「(500円カップ麺の)購入者の性別や年齢に大きな偏りはなく、幅広い層のお客さまにお買い求めいただいています」という。「モノやサービスは安ければ安いほどいい」という考えが、回り回って自分の収入を現状以下にとどめる圧力になることを、もうみんな気付いてきている。価値があるものに対しては相応の対価を払ってもいいという空気は生まれつつあるのかもしれない。
取材・文/岸川貴文(フリーライター)