外食チェーンでは、いくら安価なメニューでも必ず店側の“儲けのカラクリ”が存在する。ここでは駅前、ロードサイドに展開する「そば」「うどん」「ファミレス」「中華」チェーンの原価の秘密を探ってみよう。
例えば、そば・うどんチェーンで、そばが300円台で食べられるのは、「そばに使う小麦粉の割合を増やしているから。そば粉4割、小麦粉6割だと原価は、1玉30円以下」(業界関係者)だという。これにダシ(原価約20円)とネギやワカメのトッピング(同約10円)を加えたかけそばの原価は約60円だ。
天ぷらそばのように、原価50円程度の揚げ物を乗せると、「販売価格を100円以上高くできて利益率はさらに高くなる」(同前)という。
全国的ブームとなったうどん店もほぼ同様で、ぶっかけうどんの原価は、うどん約30円、ダシ約20円、ネギ・薬味約20円で合計70円ほどだ。儲けの柱は100~150円ほどの天ぷら類。原価はえび天が約40円、ちくわ天が25円ほどで、利幅は大きい。
原価率の低いトッピングやサイドメニューを「いかに食べてもらうか」が勝負というわけだ。
「うどんでは、ほとんどコストの変わらない『ぶっかけ』と玉子を乗せた『釜玉』で価格が50円以上も変わる。さらに、天ぷらやおにぎりなどを自由に選べる“セルフサービス”のシステムが、収益に大きく貢献している」と経済紙記者は指摘する。
「レジ待ちの間についトッピングに手を伸ばしてしまう人は多い。スーパーのレジ横に菓子を置くのと同じ、消費者心理を突いた商法」(同前)だという。