「小規模ホールだと、設置台数も少なく、大きな売上が見込めないので、採算が取れないとよく言われていました。しかし、スマスロ専門店にすれば、初期投資と人件費を削減できるので、小規模ホールでも成立する可能性があるということです。
ただ、大きな問題となるのが、小規模ホールにユーザーが集まるかどうか。パチンコ・パチスロ店の場合、“お店の活気”というものが、重要な広告となり、活気があるホールほどお客さんが集まりやすい傾向にあります。やはり“出ているホール”で打ったほうが、勝てそうな気がしますからね。
そうなるとコンビニくらいの広さで数十台しか設置していないホールだと、満席だったとしてもあまり“活気がある”という感じにはなりにくい。そうした部分は少々ネックになってくると思います」(藤井氏)
かつて存在していた小規模ホールの雰囲気
最近でこそコンビニサイズの小規模ホールはあまり見かけないが、過去にはそういったホールが珍しくない時期もあった。
「20年くらい前のパチスロ4号機の時代までは都内の繁華街などに、数十台しか設置していないような超小規模のパチスロ専門店もいくつかありました」(藤井氏)
かつての小規模パチスロ専門店はどういった様子だったのか。当時、そういった小規模店に何度か足を運んでいたという都内在住の会社員・Aさん(50代男性)はこう話す。
「小規模なパチスロ専門店は、20年くらい前の当時でも結構古めのホールが多かった記憶です。昭和の残り香を感じるような雰囲気ですね。男性の店員2人くらいがメダルの供給などの作業をしていて、カウンターに女性の店員が1人、みたいな感じでした。
でも、あまり繁盛していたイメージはありません。近くにある大きなホールはほぼ満席なのに、小規模ホールはガラガラということも多かったです。だから、大きなホールで打ちたい台に座れなかったときなんかに、小規模店で打っていました。
打っているお客さん全員が周囲の状況を把握できるような感じで、なんとも言えない息苦しさもありました。客が少ないので、店員もちゃんと全員の客の動きを見ているし、気軽に遊びにくい空気が漂っているというか……。店員と仲良くなれば、むしろアットホームに感じるのかもしれませんが、個人的にはちょっと気まずかった印象です」