結局のところ、重要なのは「どんな立派な名前の大学を出ているか」などではなく、仕事で結果を出せるかどうかなのだ。早稲田大学人間科学学術院教授で『新・日本の階級社会』著者の橋本健二さんが言う。
「前近代の社会では、生まれで階級が決まりました。身分は生まれつきだったわけです。近代に入り、血統で人を区別することがタブーになると、階級を決定づける重要な要素が学歴になったのです。いまは『大卒か、非大卒か』が、階級を分けています」
「大学を卒業している」というだけでは、本人の賢さや能力の高さの証明にはならないことは、多くの人が理解している。だが、「4年間大学に通って授業を受け、必要な単位を修得した」という、堅実性の証明にはなる。
「大卒は、一定の知能と堅実性パーソナリティーの証明です。つまり、ルールを守って計画的に行動でき、退屈な講義に出席して、地道に努力ができる人物だということ」(橘さん)
大学を出ていれば「とりあえず、まじめな社会人にはなれそうだ」という評価を受けられる。一方、非大卒者には、これを効果的にアピールするすべがないのが現実だ。
※女性セブン2023年2月9日号