キャリア

現在も15%以上いる「高卒で就職」を取り巻く不利な環境 応募は1人1社が原則、大企業も採用に意欲的でない

非大卒は“ブルーカラー率”が高い

非大卒は“ブルーカラー率”が高い

 希望する業種があるなら、高校卒業後に専門学校に行って資格を取ったり、スキルを磨く手もある。事実、コロナ禍の影響もあり、看護や医療などの分野の専門学校に進む高校生は増えている。

「医療や福祉など、就職に直結しやすい資格を取得できればいいのですが、多くの生徒はそうではありません。近年人気を集めているアニメ、ゲーム、声優関連、音楽関連などは、卒業後に成功できるのはほんのひと握り。うまくいかなければ“高卒扱い”になってしまいます。

 もし子供がそうした分野への進学を希望したら“本気でその分野の職に就きたくて、努力するつもりがある”のか“視野が狭く、その分野しか知らないだけ”なのか、見極める必要があります」

現在の大学入試は必ずしも学力を必要としない

 大卒至上主義が非大卒者の進路を狭めている現状が「とりあえず、大学は出ておいた方がいい」という風潮をさらに強めているのだ。

 こうした流れもあってか、現在の大学入試は、必ずしも学力を必要としない。大阪大学大学院教授で『日本の分断 切り離される非大卒若者たち』著者の吉川徹さんが言う。

「いまはAO入試や総合型選抜、学校推薦型選抜など、受験勉強をしなくても大学に入れる制度ができており、学力によって進学と就職が分かれる時代は終わっています。あまり勉強する気がなくても、どこかしらの大学に入ることはできるのです」

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