大澤氏は前出の著書で、多数のクチコミを「社風」や「社員の年代」など様々な指標を設定して集計し、分析。実際の社員・元社員による勤務先への評価をスコア化し、「超優良企業」をランキングにまとめた。
一体、どんな企業が名を連ねているのか。
まずは「総合評価」の高い企業。トップに輝いたのは、世界的IT企業・グーグルの日本支社(グーグル合同会社)だ。
外資系と聞くと“ドライ”な印象もあるが、社員からは「風通しも良く人事考課も公平で、待遇も非常に良い」(エンジニア)、「女性だけでなく多様な人材が、気持ちよく働ける」(コンサルタント)などのクチコミがあった。
続く2位は、製薬大手の中外製薬がランクイン。抗体医薬品やがん領域の医薬品市場で国内1位のシェアを誇る同社のクチコミには、「年齢、性別に関係なく活躍できる風土がある。コンプライアンスに対する意識は非常に高い」(製造管理)などが見られた。3位には離職率の高さで知られるリクルートが入るなど、数字だけでは判断できないのが見て取れる。大澤氏が言う。
「総合評価は、社員による職場環境に関する評価(『待遇面の満足度』『社員の士気』『風通しの良さ』『20代成長環境』などの8項目)をもとに、独自のアルゴリズムで算出しました。
このデータは、公開情報だけでは知ることのできない企業の実情を明らかにしています。実はグーグルの社員が評価するような『働きがい』は、企業の業績や株価と相関があることも研究で証明されています」
※週刊ポスト2023年2月10・17日号