学生時代には親に弁当を作ってもらっていても、社会人になればその習慣から離れる人は多い。一方で、実家住まいの人の中には、社会人になった後も母親に弁当を作ってもらっている人もいる。社会人になっても実家に住み続ける「子供部屋おじさん」(こどおじ)の“是非”については論争が巻き起こることもあるが、はたして職場に「お母さんが作った弁当」の場合はどうなのか。当事者たちを含めて、さまざまな意見を聞いてみた。
むしろ母が作りたがっている…
IT企業に勤務する20代男性・Aさんは、入社以来、母親に作ってもらった弁当を持参している。「今でこそみんな慣れてくれたけど、基本的に職場の反応は冷ややか」だという。
「上司からは『社会人になっても母親に作ってもらってるのか?』、先輩女性からも『恥ずかしくないの?』と嫌味を言われました」(Aさん)
散々な言われようだが、Aさんにも言い分がある。
「なんだかマザコンみたいに思われていますが、全然違います。母が父や年の離れた妹のお弁当を作るついでに用意してくれているだけ。母には『いらないよ』と言ったこともあるのですが、むしろ母が作りたがっているぐらいです。『愛妻弁当』だって、自分で作らず奥さんに作ってもらってるわけじゃないですか。奥さんが作ってくれる弁当は羨ましがられるのに、母手製の弁当は揶揄されるって、意味がわからないです」(Aさん)
「ママ弁」はうらやましい
一方で、社会人になっても母親が作った弁当があることを「うらやましい」と思う人もいるようだ。メーカーに勤務する30代男性・Bさんが語る。
「僕だって作ってもらえるなら作ってほしいですよ。うちの母親は僕の高校時代3年間の弁当作りが『苦行だった』と言いますからね(笑)。子供が社会人になってもお弁当を作ってくれるお母さんなんてありがたいし、『親子関係が良好なんだな』という好印象でしかないです」(Bさん)