昨年12月1日、元AKB48の篠田麻里子(36才)の夫が、篠田と不倫相手とされる男性を提訴し、話題をさらった。DV疑惑のあった夫に不倫の証拠を突きつけられ、現在民事訴訟中と報じられている熊田曜子(40才)、2020年に世間を騒がせた渡部建(50才)、2016年に川谷絵音(34才)との不倫が明るみに出たベッキー(38才)など、芸能人の不倫報道はどれも絶大なインパクトを残す。
だが、不倫は何も、芸能人だけに限ったことではない。2020年の調査では、「現在不倫している」という男性が41.1%で、女性も31.4%となっている。「浮気・不倫経験がある」と枠を広げると、男性の67.9%、女性の46.3%が「ある」と答えている。つまり、日本人の2人に1人は、「不倫経験者」という計算になるのだ。
もし、夫に「不倫疑惑」を抱いたら、妻がまずやるべきなのは「証拠集め」だ。確固たる証拠がなければ、離婚も慰謝料の請求もできないからだ。『離婚すると決めたら読む本』の共著者でベリーベスト法律事務所の弁護士・松井剛さんが言う。
「そもそも慰謝料とは『精神的苦痛に対する補償』で、不倫の慰謝料は“その不倫によって、何が壊されてしまったか”で左右されます。具体的には、婚姻関係が長いほど慰謝料は高くなるほか、もともと冷え切っていた夫婦なら、それほど大きな額になることは少ないでしょう。数十万~300万円ほどが多く、芸能人か、一般人か、収入が多いか少ないかは、慰謝料の金額とは関係ありません」
不倫の慰謝料は相手女性から取るケースが多い
松井さんによれば、不倫された妻は夫ではなく、不倫相手の女性に慰謝料を請求するケースの方が圧倒的に多い。不倫はそもそも、相手女性さえ存在しなければできないことだからだ。
「離婚しないなら、夫から慰謝料を取っても家庭の中でお金が動くだけなのであまり意味がない、というのも理由の1つでしょう。もちろん、夫と相手女性の両方から慰謝料を取ってキッパリ離婚する人や、夫には何も知らないフリをして、相手女性からはキッチリ慰謝料を取る人などさまざまです」(松井さん)
不倫されたからといって、全員が離婚するとは限らないのだ。実際に、不倫した側からの離婚申し立ても多い。小さい子供がいたり、不倫されても愛情が冷めないなど、離婚したくない妻も多いのだ。これまで3万件以上の相談実績を持つ、夫婦問題研究家の岡野あつこさんが言う。
「“離婚しない”ためにも、不倫の証拠は必要です。もし夫が不倫相手の女性に本気になったとしても“私は、あなたが不倫をした証拠を持っている”と言えれば、夫からの離婚の申し立てを突っぱねることができます。離婚せずに夫と相手の女性を別れさせたいなら、夫には知らないフリとポーカーフェイスを貫き、相手女性にだけ証拠を突きつけるのがいいでしょう」