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森口亮「まるわかり市況分析」

米株式市場は調整局面に 「金融引き締めの出口」の鍵を握る3月雇用統計・CPIへの注目高まる

CPIも市場予想を超える

 今月14日には、CPI(消費者物価指数)の発表が行われました。結果は前年同月比+6.4%と前回の+6.5%から見ればインフレが落ち着いてきていることが確認できました。一方で、市場予想(+6.2%)を超える結果となったことや、インフレ率の下落幅が緩やかになったことから、インフレが高止まりするリスクが意識されています。

 また、市場予想を大きく超える結果となった雇用統計の後だっただけに、CPIも市場予想を超えてしまったことで、利上げ停止の期待が後退した可能性も否めません。

次回の雇用統計とCPIに注目

 次回のFOMCの開催日時は、3月21日、22日の2日間です。日本時間23日午前4時に政策金利発表やドットチャートの発表を、午前4時30分ごろからは、パウエル議長の記者会見の内容が伝わってきます。

 現時点では、FOMCの3月会合にて0.25%の利上げが予想されています。仮に予想通りの利上げ幅となれば、政策金利の上限がついに5%台に入ってきます。

 5%台に入っても、労働市場の需給逼迫懸念やインフレ懸念が収まらないという状況になれば、さらなる利上げも視野に入ってきます。そして、高いインフレ率と継続的な利上げの影響から、市場の意識が景気後退へと変わっていく可能性も出てきます。

 そういった意味から、3月のFOMC前に発表される雇用統計とCPIの重要さが増してくることになります。

 金融引き締め政策の出口は見えているのでしょうか。それともまだ先なのでしょうか。3月の雇用統計とCPIは、今後の金融政策や株式市場の方向性を決める大きな鍵を握っていると考えています。

【プロフィール】
森口亮(もりぐち・まこと)/個人投資家、投資系YouTuber。1983年、埼玉県生まれ。元美容師。「Excelで決算数値を管理して、有望な成長株を中・長期的に狙う」という手法で資産を10倍に。その後も着実に資産を増やしている。著書に『1日5分の分析から月13万円を稼ぐExcel株投資』(KADOKAWA)がある。YouTube「毎日チャート分析ちゃんねる」やnote(https://note.com/morip)を日々更新中。

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