投資情報会社・フィスコが、株式市場の2月13日~2月17日の動きを振り返りつつ、2月20日~2月24日の相場見通しを解説する。
* * *
先週の日経平均は週間で157.85円安(-0.57%)と6週ぶり反落。一方、週足のローソク足は2週連続で陰線を形成したが、26週、52週、13週の各移動平均線の上方は維持した。
日経平均は週を通して一進一退が続いた。前の週末に、日銀新総裁に、経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏が就任する見通しとの驚きの報道があったことで、金融緩和修正への思惑が強まる中、為替の円高が進み、週初は売りが先行。ただ、その後は植田氏の発言動向などを見極めたいとの思惑から、為替の円高が一服する中、米国の物価指標の発表を前に様子見ムードが台頭。
米1月消費者物価指数(CPI)が前年比で予想を上回ると、金利上昇を警戒した売りで、日経平均は週半ばに下落。一方で、米CPIを受けた為替の円安進行が支援要因となり、その後は再び反発。しかし、米1月卸売物価指数(PPI)が大きく予想を上回ったことや、米連邦準備制度理事会(FRB)高官からのタカ派発言が相次ぐと、利上げ長期化懸念が強まり、週末は反落した。
今週の東京株式市場は弱含みか。市場予想を大幅に上回った米1月雇用統計に続き、米1月のCPIとPPIも全体的に上振れが目立ち、インフレ鈍化の一服が強く意識されつつある。特にCPIに対して先行性の高いPPIの上振れが大きく、これまでCPIの鈍化に寄与してきたエネルギーや中古車の価格が再上昇してきている中、今後の物価指標に対する懸念はさらに高まっている。米10年債利回りが再び4%台乗せに迫っており、期待インフレ率を差し引いた米10年物実質金利の上昇も続く中、これまで調整が遅れてきた株価収益率(PER)は、実質金利との連動性を取り戻す形で低下を余儀なくされ、目先、株価の弱含みが予想される。
こうした中、今週末にはFRBが特に重要視する米1月個人消費支出(PCE)コアデフレータが発表される。CPIとPPIの結果からPCEでもインフレ鈍化一服が示唆される可能性が高く、米長期金利の上昇基調が続きやすい中、株価は週末まで調整局面が続きそうだ。週半ば22日には1月31-2月1日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が公表される。前回のFOMC後の会見では、パウエル議長が「ディスインフレ」発言を繰り返すなど、FRBの早期利上げ停止期待を高めた経緯があり、議事録の内容はタカ派である可能性は低い。しかし、その後の米雇用統計と米物価指標を受けて、この議事録はすでに過去のものとしてほとんど重要視されないため、むしろ、想定よりもタカ派である場合のリスクの方が大きそうだ。