無駄な追い焚きをしない
一方、家庭のガス代は8割を風呂とシャワーが占めている(プロパンガス協会)。
「追い焚き1回につき平均で6円かかるので、毎日追い焚きすると年間で2190円になります。風呂のふたを忘れずに閉めて湯の温度を下げないことで無駄な追い焚きを減らせます」(同前)
シャワーの節約も省エネになる。お湯を出す時間を1日1分減らすと年間2070円の節約になるのだ。
生活スタイルの工夫で暖房機器の出番を減らすことも考えたい。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏が言う。
「防災グッズは効果的です。カーペットの下にアルミシートを敷けば床暖房代わりに。気泡緩衝材を窓に貼り、厚手のカーテンで床まで覆えば冷気をシャットアウトできます。最も重要なのが、生活の場所を集中させること。寝る直前まで居間にいるなど、なるべく同じ部屋で過ごすことです」
生姜などを食べて体を温めることも光熱費を下げることにつながる。
「生姜は粉末状になると『ショウガオール』という成分を生成し、生の生姜よりも効率よく血管を開いて脂肪を燃やしやすくします。体を温めるには、生姜パウダーをスープや味噌汁に入れて飲むといいでしょう」(イシハラクリニック・石原新菜医師)
ツボ押しも試してみる価値がある。源保堂鍼灸院の瀬戸郁保氏が語る。
「血行を促し、体を温める効果があるツボもあります。たとえば、下を向いた時に首の後ろに出る骨のすぐ下あたりの『大椎(だいつい)』は、免疫力を高めるうえに全身を温める効果があるため風邪の引き始めに効く。さらに、押すだけでなくカイロを貼ることでより効率よく全身を温められます」
へそに位置する「神闕(しんけつ)」といったツボも全身を温める効果がある。試してみるのもいいだろう。
様々な方法を実践すれば年間5万円近い節約も目指せる。工夫をして春以降の値上げに備えたい。
※週刊ポスト2023年3月3日号