キャリア

75歳からの生き方を考えるために「やりたいこと」「自分史」を書き出す意義

「リ・スターティングノート」の「やりたいことリスト」楠木新さんの記入例

「リ・スターティングノート」の「やりたいことリスト」楠木新さんの記入例

やりたいことは「自分史」から見出す

 この「リ・スターティングノート」の二つの重要な項目である「やりたいことリスト」と「自分史シート」の具体例をここに記載しました。私が75歳からの生き方を考えるために記しているものの一部です。

「やりたいことリスト」は文字通り、年齢に応じてやりたいことを思いつくままに記したものです。「自分史シート」には、私の中学生時代と会社員時代の「記憶や印象に残っている出来事」を簡略化して記載しています。

 なぜ、「自分史」を振り返る必要があると考えたのか。年齢を問わず、「将来、やりたいことは何か?」と問われ、即答できる人は意外と多くありません。

 例えば、定年を迎え、長く所属した組織を離れた人は、「自分はいったい何者か」と自問自答することがよくあります。「○○会社の課長です」と簡単に説明できる“肩書き”がなくなるからです。

 その問題を解決するためには、年代別に自分はどのようなことを考えて、何に興味を持ち、どんなことに感動したかを振り返ることが有効だと思います。あの時に別の選択をしていれば違う道があったかもしれない、あの人との出会いは本当に偶然だったのだろうか、あの時代にもう一度戻ってみたい、などと反芻することが、自分を知ることの近道ではないでしょうか。

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