節電に燃える妻
都内在住の会社員・マサシさん(仮名、48歳)は、専業主婦の妻からの過度な節電要求に頭を悩ませていた。妻と高校生の子供2人の4人家族で、住まいは木造一戸建てだという。
「妻の話によると、今月の電気代は4万円だったようです。正直キツいですけど、このご時世だし仕方がないのかな……と思っていたのですが、妻は節電に燃えていました」(マサシさん)
マサシさんの妻の節電について話を聞くと、かなりストイックであることが分かった。
「リビングの電気は4つのライトのうち1つだけにしたり、暖房器具の使用は極力控えて毛布をかぶるよう指示されたり……。子供たちからは『ケチくさい!』と非難の声。私も子供たちと一緒になって不満を言うのですが、『文句言う暇あるなら残業して電気代を稼いできてよ!』と怒られてしまうんです」(同前)
両親から相続した自宅は築40年越え。隙間風が気になるほど老朽化しており、自宅に居ても暖かくならないため心が休まらないという。リフォームや建て替えをしたいところだが、今後かかる子供たちの学費のことを考えると、躊躇してしまったそうだ。
「妻は専業主婦と言っても両親の病院送迎や生活のサポートをしており、働きに出られる状態ではありません。私の収入が増える見込みもなく、出費ばかり増えます。少々気性の荒い性格ではありますが、家族のことを想っての節電だと考えると強く反論はできません」(同前)
妻の言うとおりに節電に取り組んでいたマサシさんだったが、部屋が寒かったせいか、先日風邪をひき病院にかかったそうだ。受診料は約2000円。そのことを聞いた妻は「節約もほどほどにしないとだめね」と言ったという。現在、妻は過度な節電を見直す方針で、単発で働けるバイトを探すなど世帯収入を上げるよう頑張っているとのことだ。
生活スタイルや地域によっても金額は様々だが、どの家庭も電気代の値上げに頭を悩ませているのではないだろうか。節電意識を持った生活を送ることも大切だが、その状況にストレスを感じ、家族内でトラブルになるのは望ましくない。メリハリをつけた対策が大事なようだ。(了)