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【日本株週間見通し】今週の東京株式市場は一進一退か 景気・金利動向の見極めへ

 こうした中、今週は米国でコンファレンスボード(CB)の消費者信頼感指数や供給管理協会(ISM)の製造業・非製造業(サービス業)景況指数が、中国では製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される。

 米ISMサービス業景況指数は1月に景況感の拡大を示す50を再び上回ったほか、先んじて発表された米2月サービス業PMIが50を回復したことで、改めて強い結果が予想される。先週は米10-12月の実質国内総生産(GDP)改定値が下方修正され、特に米GDPの約7割を占める個人消費が前期比年率+1.4%と速報値の+2.1%から大きく下方修正された。また、ウォルマート、ホーム・デポ、ディラーズ、TJX、ダラー・ゼネラルなど米小売企業の決算も総じて冴えなかった。このため、ISMサービス業景況指数の強い結果が出れば、先週の個人消費に関わる悪材料を払拭し、再び景気後退懸念を緩和させてくれることが予想される。

 しかし、それは一方で米国の利上げ長期化懸念を強めることも意味し、一服したばかりの米長期金利の上昇が再開する恐れもあり手放しで喜べない。また、製造業や輸出企業の比重が大きい国内の株式市場にとって重要なのは米国のサービス業よりも製造業の動向だ。しかし、米2月ISM製造業景況指数は47.8と1月の47.4よりは小幅に改善する見込みも、引き続き50割れの状態が続く予想となっている。他方、日本経済への影響が大きい中国のPMIが1月に続き一段と改善してくれれば相場への好影響も期待されるが、「ゼロコロナ」政策の緩和直後の反動で1月が高く出たに過ぎない可能性もあり、中国のPMIの結果も見極めが必要だろう。

 ほか、米国では今週、ロウズやダラー・ツリー、ベスト・バイ、メーシーズなどの小売決算が予定されている。米国の個人消費に陰りが出てきているのか、それともまだ堅調さが続く見込みなのか、先週の小売関連の指標と合わせて引き続き動向を見極めたい。

 今の相場は米国のインフレや利上げスケジュール、景気動向などを巡って市場関係者の見方が交錯していて、非常に不透明感が強い。市場が景気の強さをポジティブに捉えるのか、それとも利上げ長期化観測の高まりとしてネガティブに捉えるのか、はたまた、景気の弱さをネガティブに捉えるのか、インフレ鈍化としてポジティブに捉えるのか、市場のインフレと景気に対する見方がどちらの方向に傾くのかを今週は見極めたい。日経平均については27500円を中心としたもみ合いが長期化しているため、どちらかに大きく振れた場合には、その方向にトレンドが出る可能性に留意しておきたい。

 なお、今週は27日に参議院で日銀総裁候補者への所信聴取、米1月耐久性受注、28日に1月鉱工業生産、1月住宅着工統計、1月小売業販売額、参議院で日銀副総裁候補者への所信聴取、米12月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米2月CB消費者信頼感指数、3月1日に2月新車販売台数、中国2月製造業/非製造業PMI、中国2月財新製造業PMI、米2月ISM製造業景気指数、2日に10-12月期法人企業統計、3日に2月都区部消費者物価指数、1月有効求人倍率、中国2月財新サービス業PMI、米2月ISM非製造業指数、などが予定されている。

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