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損をしないための退職時の手続き 「離職票」「雇用保険被保険者証」がないと大変なことに

退職届を出せば終了…ではない(イメージ)

退職届を出せば終了…ではない(イメージ)

 正社員だけでなく、パートやアルバイトでも仕事を辞めるとき、「辞め方」を間違えるとその後に大きな影響が出る。きちんと手順を踏んで退職の意向を伝え、さらには有給休暇を消化しても、辞めるときに重要な書類をもらわないと大損することもある。

 そんな書類の1つが「離職票」だ。KTG湘南藤沢法律事務所の弁護士・山口裕哉さんが説明する。

「退職後、雇用保険の失業に関する給付を受け取るために必要なのが離職票です。これを受け取らなかったがために、失業給付金の受給が遅れたり額が減ったりしてしまうケースがよくあります」

 失業保険の申請ができるのは、原則として離職日の翌日から1年間。この期間を過ぎてしまうと、所定給付日数分を受け取っていなくても支給を受けることができなくなるので、早めに手続きすることが重要になる。また、受け取ったとしても、記載内容をよく確認しなければならない。

 福岡県のAさん(67才・仮名)が思い返す。

「働いていた工場が閉鎖になり、それまで通勤時間30分だったのが1時間半もかかる別工場に異動させられました。交通費も以前と同じ額しか出ないので不満を伝えたところ、会社から退職を求められたんです。それなのに離職票には『自己都合』と記載されていました。一刻も早く辞めたかったので自己都合でいいやと思っていたけれど、失業保険を受け取るにあたり、大きな違いがありました」

 自己都合退職の場合は、「待期期間」の7日間と給付制限期間の2か月が経過した後でなければ受給資格の認定、失業保険の受給に進めない。一方、会社都合退職であれば給付制限期間を待つ必要がなく、待期期間が終われば受給資格の認定を受け、失業保険を受け取ることができる。

 失業保険の日額は最大で賃金日額の80%が給付されるので、この2か月の差は大きい。離職票に続いて受け取るべき書類は、「雇用保険被保険者証」だ。

「転職先が決まっている場合、転職先に提出する必要があります。転職先が決まっていない場合も、失業保険を受け取るために必要です。受け取らないと再就職先での手続きが遅れますし、転職しない場合でも失業保険の受給が滞る恐れがあります」(山口さん・以下同)

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