「令和の年金大改悪」が始まる。国会では子育て世帯への給付金など少子化対策ばかりが議論されているが、その裏で岸田内閣は「全世代型社会保障構築会議」で2024年の年金改正に向けた議論をスタートさせた。話題のムック『週刊ポストGOLD 年金の大激変』にも登場する“年金博士”こと社会保険労務士の北村庄吾氏が語る。
「令和の年金改正でテーマに挙がっているのは、国民年金と厚生年金の加入期間延長、パートの厚生年金強制加入の拡大、マクロ経済スライドによる年金減額期間の延長などです。そのなかでも、これから年金を受給する中高年サラリーマン世代にとくに影響が大きいのが、現在は40年の国民年金加入期間を45年に延長する議論です」
こうした年金改悪に備えて、北村氏は「今のうちに、保険料を何年払えばもらえる年金がいくらになるのかを把握し、いつまで働き、いつから年金受給するかという人生設計を見直す必要があるでしょう」と語る。
“払い損”を解消しよう
まずは自分が将来もらえる年金額を知ろう。北村氏が考案した年金額計算法によれば、「基礎年金」(1階部分)のおおよその額(年額)は〈2万円×加入期間(上限40年)〉で、「報酬比例部分」(2階部分)は〈5500円×加入期間×現役時代の平均年収(給料+ボーナス)の百万円の位〉で計算できる。
現役時代の平均年収の目安は、「一般的な賃金カーブで言えば38歳前後のボーナス込みの年収が生涯年収の平均値となる」(北村氏)という。
表は北村式計算法(*)に基づいて、現役時代の平均年収と厚生年金加入期間(会社員として働く期間)ごとに、年金月額を試算した早見表だ。
【*「北村式年金額計算法」で、1階部分=「2万円×加入年数」を12等分、2階部分=「5500円×加入年数×平均年収の百万の位」を12等分した数字を記載した。小数点以下は四捨五入のため内訳と合計額は必ずしも一致しない】
大卒22歳で入社し、60歳まで38年勤続、現役時代の平均年収600万円台の人なら、加入期間「38年」、平均年収「600万円」の欄を見る。1階部分が月額6万3333円、2階部分が月額10万4500円で、合計の年金月額はおおよそ16万7833円が目安になる。