近年、「ネイルは女性がするものだ」というイメージが払拭されつつある。「ホットペッパービューティーアカデミー」が2022年2月に実施した調査によれば、ネイルサロンを利用したことがある男性は5.7%で、過去5年の調査でもっとも高い数値となった。もっとも利用率が高いメニューは「ハンドケア」で、続いて「マニキュア」、「ジェルネイル」と続く。
芸能界でも徐々に、メンズネイル愛好家が増えているようだ。たとえばAAA(トリプルエー)のメンバーでラッパーのSKY-HIをはじめ、彼が手掛ける事務所BMSGの所属アーティストたちもカラフルなネイルを楽しんでいる。ジャニーズ事務所ではKinKi Kidsの堂本剛や関ジャニ∞の安田章大、K-POPではBTSやNCT127のメンバーらもネイルを取り入れていることが知られている。
透明なジェルネイルで“二枚爪”対策
芸能界に限らず、接客業の男性や就職中の大学生のなかでも、身だしなみの一環として爪磨きやクリアネイルと取り入れる動きがあるという。都内のネイルサロンで勤務するネイリストの女性・Aさん(40代)に、メンズネイルの現状について話を聞いた。
「インスタグラムでは『#メンズネイル』で20万件以上の投稿があるなど、SNSなどを通じてメンズネイルが広がっていることを実感します。昔はネイルというと女性のイメージがありましたが、いまではそういった印象も薄れてきているようです。メタリックなネイルを取り入れて、アクセサリーがわりにする男性もいますよ」(Aさん)
Aさんは、コロナ禍以降、メンズネイルの需要が増してきたと感じている。
「市販のマニキュアは手軽で塗るのも落とすのも簡単ですが、すぐにネイルがはげてしまうなどのデメリットもあります。一方、コストはかかりますが、特殊なジェルを硬化させるジェルネイルは3~4週間ほど持ちます。在宅ワークやPCをよく利用する男性のなかで、爪が乾燥して二枚爪になったり、折れてしまいやすい人、あるいは爪を噛んでしまうクセがある人には透明なジェルネイルがおすすめですよ」(同前)
最近ではカップルや夫婦でネイルサロンに訪れる人もいるという。
「彼女さんや奥様に紹介されて来店された男性もいますが、『爪が欠けなくなった』と満足してくださいました。また、私が実際に施術した男性のお客様の例ですと、アトピーで顔や首を掻いてしまうという方がいました。通常、爪で肌を傷つけてしまいますが、ジェルネイルで整えておくと、肌への刺激がかなり抑えられます。その方も、『ジェルネイルを取り入れてから掻きむしることが少なくなった』とおっしゃっていましたね」(同前)