中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

広末涼子の「CM違約金」報道を真に受けてはいけない 元広告会社社員が明かすCMギャラの決まり方

広末涼子の「CM違約金」報道をどう読むか(時事通信フォト)

広末涼子の「CM違約金」報道をどう読むか(時事通信フォト)

『週刊文春』の報道をきっかけに、女優・広末涼子さんの不倫騒動が世間を賑わせているが、この手の報道があると必ずといっていいほど登場するのが「CMの違約金は○億円」といった記事だ。だが、「こうした報道を鵜呑みにしない方がいい」と述べるのは、大手広告会社出身で現在も広告関連の仕事を多く手掛けている、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏だ。中川氏がCMギャラの本当の決まり方について解説する。

 * * *
 広末さんについては、以下のような報道がありました。

〈複数の広告代理店関係者によると、広末の現在のCM出演料は1社あたり約3500万~4500万円。4本分を単純計算すると1億4000万から1億8000万円となる〉(スポーツ報知電子版・6月15日)

〈芸能関係者は「多額の違約金が発生するのでは。この2社は今年に入っての契約。残りの期間が相当残っているのは当然で、その分の違約金が出てくる。その他を合わせて、少なく見積もっても億弱ではないか?」と指摘した〉(スポニチアネックス・6月14日)

 他にも、女性自身電子版は6月20日に「広末さんのCM出演料は1社4千万円ほど。CMや広告を取り下げた時点で日割り計算し、出演料を返金することになります」という広告代理店関係者のコメントを紹介しています。

 重要なのは、これらがあくまでも「その広告代理店関係者」の個人的意見である、ということです(本当にその関係者を取材しているのであれば)。広末さんの出演料が1社あたり3500万~4500万円というのは、あくまでもその人の「感覚」です。本当の金額を知っているのは、【1】事務所、【2】キャスティング会社or広告会社キャスティング部署担当者と営業担当、【3】広告主――だけです。そして、事務所がこれらメディアの取材に対して明確な金額を開示するわけもないですし、キャスティング会社・広告会社キャスティング担当・営業担当の人々だってクライアントの機密情報を出すワケがない。

 広告会社キャスティング関連部署の人数は少なく、その人物に辿り着くのは難しいし、たとえ辿り着いたとしてもそんな機密情報を得られるワケがないんです。本当に取材をしているのであれば、電通・博報堂・ADK・大広・読売広告社・東急エージェンシー等の知り合いの営業担当(一番人数が多い)に「広末のギャラっていくら? お前の感覚でいいから教えてくれ」と記者が聞き、「知らんよ。オレ、広末起用したことないもん」「いや、お前の見立てでいいからさ。早く記事書かなくちゃいけないんだよ」という展開に。そこで、その広告会社営業マンは「まぁ、4000万円ぐらいじゃねーの?」と答え、それを元に記事が完成しているのでしょう。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。