年々減少し続けているパチンコホール。警察庁生活安全局保安課が発表した「令和4年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯等の取締り状況について」によると、2022年12月末時点でのパチンコホールの営業所数は7665店舗。2021年12月末の時点では8458店舗で、1年で793店舗減少したこととなる。また、パチンコホール数の減少は27年連続となる。
ここ数年、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、ホールの減少ペースが加速しているが、理由はそれだけではない。パチンコ事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏はこう話す。
「パチンコ機、パチスロ機の出玉規制が繰り返されている一方で、ユーザー1人あたりが使うお金の額が増加傾向にあり、初心者が気軽に遊びにくい状況となっていることも影響しているように思います。“勝てない”と感じてパチンコ・パチスロから離れるユーザーが多いのに、新規のユーザーはなかなか増えない。その結果、廃業に追い込まれるホールが増えているわけです。
依存症対策という側面もあり、ホールによる宣伝告知、イベント開催等についての規制が強化されたというのも、ユーザー減少の要因でしょう。近頃は徐々に広告・イベント規制は緩和されていますが、離れていったユーザーを取り戻すのは容易ではない。ホールの減少を食い止められない状況です」
ホールの減少は現役ユーザーにも大きな影響を与える。それまで足繁く通っていた“マイホール”が閉店してしまうことも珍しくない。では“マイホール”を失ったパチンコ・パチスロユーザーは、どうしているのだろうか。現役パチンコ・パチスロユーザーの声を聞いた。
最寄り駅からホールが消えて…
神奈川県在住の会社員・Aさん(40代男性)は、最寄り駅近くにあるホールに長らく通っていたが、数年前にそのホールが閉店してしまった。
「パチンコホールは最寄り駅に1店舗、隣の駅にもう1店舗あり、気分によってどちらかの店に行くことが多かったんですが、続けざまに両店舗が閉店。しばらくは、電車に乗って3駅離れた駅のパチンコホールに行っていました。
でも私の場合、朝から並んで夜まで打つような熱心なファンではなく、なんとなく休日に暇つぶしで打つ程度。わざわざ電車に乗ってパチンコを打ちに行くのが単純に面倒で、徐々に頻度も低くなり、いまはほとんど行かなくなりました」(Aさん)