物価高や増税など家計の危機が続くなか、自らの暮らしをどう守り、豊かにしていくか。そこで選択肢となるのが「投資」だ。これまで馴染みのなかった初心者でも、始めるのに遅すぎることはない。
こんなに増えるの!?
年初に2万5000円台だった日経平均株価は右肩上がりの上昇を続けていたが、6月に3万3000円台に達してからは大幅な伸びが見えない。
「日銀の政策修正など、直近での株価へのマイナス要因はあります。ただ、投資というのは長い目で見てやっていくもの。銀行にお金を預けても超低金利で増えないどころか、物価上昇で実質的に目減りしていきます。だからこそ、投資によって“お金に働いてもらう”ことが重要になるのです」
そう話すのはファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の北村庄吾氏だ。
「当然ながら株価は上下するのでリスクはあるが、目的を定めたうえで投じる額や対象を適切に決めれば、長期的なメリットは大きい」(北村氏)
長い目で見た投資の効果では、運用で得た収益を当初の元本にプラスして再び投資することで得られる「複利効果」が大きい。それをわかりやすく示すのが「72の法則」だ(図参照)。
「再投資を繰り返して複利効果を得ていくことで、運用資産(元本+運用益)が元本の2倍になるまでの期間を簡単に計算できるのが『72の法則』です。『72÷運用利回り(年利)≒2倍にするための年数』になるというもの。普通預金(年利0.001%)だと7万2000年もかかりますが、年利3%の運用なら24年で運用資産を“倍増”させられるのです」(北村氏)