2024年から「新NISA」がスタートする。NISAとは「少額投資非課税制度」で、少額の投資について、その利益にかかる税金を非課税にするという制度だ。このNISAが“神改正”されて、とても使いやすくなると話題だ。どう変わるのか、そして今何をすべきなのか。『1時間でマスター!マンガと図解でわかる新NISAの教科書』などの著書があり、マネックス証券、マネックス・ユニバーシティ室長で投資教育を行う福島理さんに話を聞いた。
新NISA4つの神改正ポイント
そもそもNISAとは、どういう制度なのか。福島さんが解説する。
「老後に向けた資産形成を促すため、『貯蓄から投資へ』という流れを後押ししようと、2014年に創設されました。英国にあった同様の制度『ISA』の日本版ということで、『NISA』という愛称で呼ばれています。
投資によって得られる譲渡益や配当などの利益には、通常だと約20%(2037年までは復興特別税を含め20.315%)の税金がかかります。したがって、どんなに儲かったとしても、その税金分を差し引いた金額しか受け取ることはできません。
例えば、20万円で買った株式が30万円に値上がりして売ったとすると、差額の10万円が譲渡益になります。ここから約2割の税金を差し引いた約8万円しか受け取れないのです。
ところが、NISA口座で売買したものについては、この税金が非課税となるため、10万円をまるまる受け取ることができます。た、譲渡益だけでなく、保有している期間に得られる配当金についても同様に税金がかかりません」(以下同)
このNISAが2024年からはまったく新しい制度として生まれ変わる。今回の改正は利用者の利便性を飛躍的に向上させる“神改正”ともいえる内容となっていることで、投資家の間では大きな話題となっている。主な改正点は次の4つだ。
【1】これまで「つみたてNISA」と「一般NISA」があり併用できなかったが、一本化される
【2】これまで投資限度額は「つみたてNISA」で800万円、「一般NISA」で600万円だったのが、合計で最大1800万円に拡充される
【3】これまで非課税保有期間は「つみたてNISA」が20年間、「一般NISA」が5年間だったものが無期限になる
【4】売却すれば、一度使った非課税枠が復活する
以下、順に説明していこう。