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初対面で「推しいますか?」の質問を息苦しく感じる人たち 「類型化されるのが嫌」「新たな同調圧力では」

初対面での会話のきっかけに、「推し」が話題になるケースも珍しくないという(イメージ)

初対面での会話のきっかけに、「推し」が話題になるケースも珍しくないという(イメージ)

 2020年代以降、急速に広まっている「推し」という言葉。自分が応援している対象を「推し」と呼び、そのファン活動を「推し活」という。「オタク活動」の略語である「オタ活」という言葉もあるが、最近ではよりライトな言葉として、一般的に「推し活」が使われる機会が増えている。

「推し」の話題を会話のきっかけにする人も珍しくないだろう。しかし、そんな風潮に違和感を覚えている人もいる。それが「推しがいない」人たちだ──。

美容室や合コンで「推し」を訊かれて困惑

 都内の大手企業でシステムエンジニア(SE)をしている男性・Aさん(33歳)は、ことあるごとに「推し」を尋ねられることに不快感を覚えるという。

「僕はもともと趣味がない人間で、日々の楽しみも、強いていえばYouTubeで動画を見ることくらいです。美容室や合コンなど、初対面の人との会話のきっかけで『趣味は何ですか?』と訊かれるは昔からあると思いますが、『特にないですね~』で会話が終わってしまうんですよ。

 でもここ最近は、趣味じゃなくて『推しいますか?』と訊かれることが増えました。そうすると、僕のような人間はますます困ってしまうんです」(Aさん)

 趣味を尋ねられることよりも、なぜ「推し」について訊かれる方が困惑するのだろうか。

「趣味ならまだ適当に『ゴロゴロすること、動画を観ること』とか言えますが『推し』って困ります。とくに合コンとかになると、誰を答えるかが結構クリティカルじゃないですか? たとえば、好きな女優さんやアイドルの名前を挙げたら、『そういうのがタイプなんだ』と勝手に類型化されそうで……。実際、僕には積極的に推している芸能人なんていませんから、中途半端なことになって会話が進まないんです」(Aさん)

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