4月は新しい出会いが多い時期。新生活の始まりで新たな出会いに胸を躍らせる人がいれば、人見知りが原因で、緊張気味の人もいるかもしれない。他人と必要以上に関わらないのもひとつの生き方だが、社会生活を送るうえで、人見知りを少しでも克服する方法はないものか。ここでは、大人になってから人見知りを克服したという人たちに、そのきっかけとなった出来事を聞いた。
先輩に愚痴ると思わぬ厳しい言葉が帰ってきた
現在、不動産系企業で働くNさん(20代/女性)は、育った環境がもとで、強烈な人見知りになってしまったという。
「私は幼稚園から大学まで、すべてエスカレーター式の女子校に通ったため、社会に出るまで“友達を作る”ことに意識を向けたことがありませんでした。幼稚園で仲良くなった子とは基本的に大学まで同じ。中学や大学では新入生が入ってきましたが、すでにたくさん友達がいるので、無理に友達を増やす必要はなく、向こうが寄って来るのを待っていれば良かったんです」(Nさん)
同級生と深い付き合いが出来るのは一貫校のメリットだが、Nさんは社会に出ると大いに苦労することになる。
「新卒で大手の物流会社に入りましが、3か月の研修期間で友達は1人も出来ませんでした。さらに配属されたのは営業部で、しかも地方。同期とも上手に話せないのに、知らない人と商談をまとめるなんて絶対無理だと思いました」(Nさん)
しかし、学生時代の先輩に愚痴をこぼすと、思わぬ厳しい言葉が浴びせられた。
「慰めてもらえるのを期待したら、『人見知りだから仕事が出来ないって言うなら、山奥で一人ぼっちで暮らせば?』とあっさり言われたんです。そして、『人見知りっていうのは、“格好悪く見られたくない”とか“失敗したらどうしよう”とか、要はカッコつけているということでしょう。失敗したら私が聞いてあげるから、“面白いネタができた”くらいに思いなさい』など、説教とともに励ましの言葉ももらいました」(Nさん)