いつもニコニコと楽しそうに料理をする姿が印象的な料理研究家の枝元なほみさん(68)は、現在、酸素ボンベが手放せない生活を送っている。
「私が患っている『間質性肺炎』は、何かしらの原因で肺が線維化して硬くなり、呼吸がしづらくなる病気なので、酸素ボンベが必要なんです」(枝元さん・以下同)
病気が判明したのはいまから4年前。13年前に亡くなった弟さんも、同じ病気だったという。
「弟はリウマチ系の病気にかかっていたんですが、亡くなる直前の病名が『間質性肺炎』だったんです。だから、最初に病名を聞いたとき、『私、この病気、知ってる!』と思ったんですが、そのときはまだ、病人としての当事者意識がないという感じでしたね」
それまでは健康診断も含め、病院で診察してもらうこともほとんどなかったという。
「病院には長い間、親の付き添いで行くのがほとんどでした。あの迷路みたいな空間が苦手でね。だから、この病気の治療のために病院に行くというだけで、過呼吸を起こしたこともあるんです」
そう朗らかに話す枝元さんだが、今年の1月には死を覚悟したという。
「コロナに感染したんです。家で寝ていたら具合が悪くなってしまって。PCR検査を受けていないと、病院で受診できないみたいだし……と思いながら姪に連絡をしたところ、『すぐに病院に行こう』と連れて行ってくれたんです。姪は医療従事者で、彼女の勤める病院に行くことができて、何とか助けてもらった感じです。もしもあのまま家で寝ていたら、死んでいたと思うんです。だから、命を救ってもらって感謝です」