12月に入りクリスマス商戦が本格化するなか、子供へのクリスマスプレゼント選びの最中という家庭は多いかもしれない。玩具メーカー・バンダイが3〜12歳の子供を持つ男女600人を対象に今年11月に実施したアンケートによると、子供が欲しいクリスマスプレゼントの1位は3年連続で「ゲームソフト」だった。今年の平均予算は7718円で、昨年より243円減ったという。
同アンケートでは「親が子供に贈るクリスマスプレゼント」として集計しているが、家庭によっては「サンタさんから届いた」と伝えてプレゼントを渡すケースもあるだろう。あらかじめ子供のリクエストを聞いた上で「サンタさんにお願い」し、当日の朝目覚めると枕元に……という“イベント”も一般的だ。SNSなどではそのように振る舞う親を指し「サンタ業」と呼ぶが、子供の成長に伴い「いつまでサンタ業を続けるか」について悩む親も多い。フリーライターの吉田みく氏が、そんな悩みに直面した40代の母親のケースを報告する。
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インターネット事業を手掛けるニフティが小中学生を対象に実施した「クリスマス」に関するアンケート調査(2023年9〜10月実施。1262人が回答)の結果が興味深い。昨年のプレゼントを「誰にもらったか」の質問に「サンタクロース」を選んだ小学生は72%、中学生では42%だった(中学生は「おうちの人」が62%で最多。複数回答の結果)。中学生以上でも「クリスマスプレゼントはサンタにもらう」という建前を40%以上は維持しているようだ。
さらに、事前にプレゼントをリクエストした人で「ほしいものを伝えるとき、プレゼントの値段は気にする?」の問いに「何も気にせずほしいものを伝える」と答えた小中学生は58%と過半数だった。子供たちにとって1年に一度の特別な機会ということもあり、金額を気にするよりも「ほしいもの」を優先させる傾向にあるようだ。
とはいえ、“サンタ業”を行う親からすれば、その要求に無制限に応えることができないのが現実である。埼玉県在住のパート主婦・ユミさん(仮名、45歳)が言う。
「我が家には中学3年生と小学2年生の娘2人がいます。次女はサンタさんの存在を信じているようですが、長女は年齢的にもサンタさん(にプレゼントをお願いするイベント)は卒業かな……と思っています。ところが夫は、『本人が言い出すまではサンタ業を続けてあげるべきだ』と言うんです」(ユミさん、以下同)
ユミさんによると、長女が中学生になった頃からサンタへお願いするプレゼントの額が明らかに増えてきたそうだ。一昨年は2万円もする財布、昨年は3万円のコートをリクエストし、親はその希望を叶えてきたという。そして、今年、長女の要求はさらにエスカレートする。