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物価上昇局面では貯蓄型保険の意義が薄れる 「月3万円の保険料」を劇的に減らす生命保険の見直し術

デフレ下なら「保険で貯蓄」も悪くなかったが…(イメージ)

デフレ下なら「保険で貯蓄」も悪くなかったが…(イメージ)

 ライフステージの変化とともに見直しを重ねていきたいのが「保険」だ。子育て中か、子どもが独立した後か、といった状況の違いによって、必要な保障は大きく変わってくる。家計再生コンサルタントでファイナンシャルプランナーの横山光昭氏に聞いた。

「保険の役割というのは主に3つに分けられます。『医療(保障)』『死亡(保障)』、そして『貯蓄』ですね。3種類ともカバーしていることが安心に思えるかもしれませんが、ライフステージに応じて、必要のない部分も出てきます。子育て中であれば、親の収入が途絶えたら教育費が捻出できなくなって困るので、死亡した場合の保障も考えておかないといけない。だけど、子どもが成長して大学を卒業すれば、その部分の保障は要らなくなってきますよね。

 昔は3つの役割をワンパッケージにした商品が当たり前と考えられてきたのですが、今は家族構成や貯蓄の額などによって、自分が必要だと思う保証だけど保険で備える時代であると考え方をアップデートしていく必要があると思っています」

いちばん優先順位が低いのは貯蓄

 そうした考え方のアップデートが求められるのは、日本経済が長く続いたデフレから、物価上昇局面に変わってきたことの影響が大きいという。横山氏はこう続ける。

「現金の価値が上がっていくデフレのもとでは、貯蓄性の保険を使ってお金を貯めるという選択も悪くなかった。しかし、インフレになると、物価が上がってお金の価値が落ちていく。そういう状況だと、基本的に保険で貯蓄しても実質的な価値がどんどん目減りしてしまう。もっと他の資産に振り分けたほうが望ましい状況が生まれています。これからの時代は、保険で貯蓄するよりも投資に回したほうが効率がよいことがほとんどになるでしょう。

 子どもたちが独立した後の世代であれば、保険の3つの役割のうち、最も優先順位が高いのは自分たちが生きているうちに必要な医療(保障)で、次が死亡(保障)、最後が貯蓄という順番になるのではないか。死亡保障にしても、子どもが独立した後に『葬式代のために』と続ける人がいますが、必要なのはせいぜい100万~200万円ですから預貯金で備えるので十分だと思います」

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