国内外の有名モデルを広告に起用するなど一世を風靡した“平成人気ブランド”のサマンサタバサの運営会社が、12月中旬、冬季賞与の不支給を発表し話題になった。2024年2月期の業績は下方修正され、8期連続の最終赤字になるという。サマンサブランドのバッグや小物はかつて若い女性を中心に人気を集めたが、当時から1点数万円はする商品がラインナップされていたことから、「バイト代で貯金して買った」と思い出を語る30代女性も多い。
サマンサのような国内ブランドに限らず、令和の現在は“お高めのファッションアイテム”に対する消費者の価値観が変わってきているのかもしれない。フリーライターの吉田みく氏が、「ブランド品に対する向き合い方」について3人の女性に聞いた。
* * *
“コスパ”という言葉が定着した現在、サマンサタバサのような高価格帯のブランドに対する消費者の価値観は変わりつつあるようだ。
都内在住の会社員・ユミさん(仮名、25歳)は、ファッションアイテムの購入に際し「価格以上にデザイン性や流行りを重視」するという。
「SNSで注目されているファッションアイテムを中心に購入しています。価格はもちろんのこと、着回しができるかも重視する点です。毎月の被服費は2万円ほどに抑えるよう心がけています。
だからといってブランド品に興味がないわけではなく、価格的に手が出せないのが実情。社会人になったらボーナスで“自分へのご褒美”に高級ブランドのバッグを……と憧れたこともありますが、一人暮らしの生活費に加えて奨学金の返済もあるので夢のまた夢。10分の1以下の価格で似たようなデザインを探し、満足しています」