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【能登地震】老舗旅館「加賀屋」のおもてなし魂 「断水中でもトイレが流れた不思議」の裏にスタッフの尽力

当面休業の老舗旅館「加賀屋」

当面休業の老舗旅館「加賀屋」

 石川県七尾市の和倉温泉にある老舗旅館「加賀屋」が、令和6年能登半島地震の影響で休業することを4日までに明かした。同旅館は公式サイトで『令和6年能登半島地震による休業のお知らせ』と、休業について発表。建物に加え、水、ガス、道路といった周辺インフラにも大きな被害が出ており、「加賀屋」およびグループ旅館である「あえの風」「松乃碧」「虹と海」は当面休業するという。少なくとも1月末までは宿泊できない状況で、2月以降の営業についてはあらためてアナウンスすると伝えた。

 加賀屋は、1906年創業。現在では全国でも最大規模の旅館となり、地上20階建て、総客室数は233室あり、約1450人を収容する。またその歴史と伝統から、皇室御用達の旅館としても知られる。旅行ライターが解説する。

「先代女将の小田孝さんは、『お客様に“できません”は言いません』や『客室係は、お客様一人ひとりとの真剣勝負』というのを心がけ、その精神は今も受け継がれています。旅行新聞社が主催する『プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選』では、36年続けて日本一を獲得。決して安い宿ではありませんが、“一生に一度は加賀屋に泊まりたい”と憧れる旅好きがたくさんいます」

 加賀屋のおもてなし精神は、地震発生直後にも発揮された。1月1日に同旅館を利用した女性が証言する。

「加賀屋は海に面しているため、利用客はすぐ高台に避難することになりました。エレベーターが止まってしまったので、最上階の20階までスタッフが走って避難を呼びかけているのが印象的でした」(加賀屋の利用客)

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