NTTドコモのモバイル社会研究所「スマホ・ケータイ所有者のSNS利用動向」に関する調査結果(2023年1月調査)によると、日本のLINE利用率は10~60代で8割超え、70代も7割を超えるという。いまや老いも若きもメッセージをLINEで送り合っているわけだが、若者から「おじさんっぽい」「おばさんっぽい」と思われている文章もあるようだ。どういった部分が“中年くささ”を感じさせるのか──。
2月8日、歌人の俵万智さん(61才)がSNSで、
《句点を打つのも、おばさん構文と聞いて…この一首をそっと置いておきますね~ 優しさにひとつ気がつく ×でなく○で必ず終わる日本語》
と投稿。約12万件の「いいね」が付き、話題になった。これは、近年の若者がメールなどの文章の終わりに「。(句点)」を付けない傾向にあり、付けるのはおばさんやおじさんだ、とされているのを受けての投稿だろうが、気になるのはこの“おばさん構文”。メールやLINE上のおばさんっぽい文体を意味するが、何がそう感じさせるのか。
「40代以上は、メールを“書き言葉(文語体)”で作成してきました。メールを従来の手紙と同様に扱ってきたからです。しかしLINEは会話のようにやりとりできるため、早く返信できるよう、親しい人とは“話し言葉(口語体)”の使用が優先されるようになりました」(ITジャーナリストの鈴木朋子さん・以下同)
さらに、LINE上の話し言葉を、早く打てるよう簡略化したものを“打ち言葉”といい、「了解」を「り」、「オッケー」を「おけ」と表したりする。句読点も打つ手間がかかるのであまり使われなくなったという。
「つまり、40代以上は“書き言葉”で、若者は“打ち言葉”でLINEの文章を作るため、世代間で違和感が生じているのです」