1月に「新NISA(少額投資非課税制度)」が始まったこともあり、投資ブームは高まり続けている。百年コンサルティング代表で経営戦略コンサルタントの鈴木貴博さんは「新NISAと『生前贈与』を組み合わせれば、リスクはそのままに驚くほどのリターンを得られる可能性がある」と話す。【新NISA×生前贈与・第3回。第1回から読む】
「年間110万円までの『暦年贈与』なら、贈与税は非課税になります。これを新NISA口座で運用させれば、110万円からどれだけ増えても非課税のまま。生前贈与と新NISAを組み合わせれば、1円も税金を払わずに利益をまるまる手にできる“最強コンビ”になる。長期で運用することで、億単位の資産を残すことも夢ではなくなるのです。
例えば、18才の新成人が毎年110万円ずつ贈与されたお金を新NISA口座に投資し続けると、生涯投資上限の1800万円に到達するのは17年後、35才になったときです。これをS&P500で年率8.1%(※直近50年間の年平均増加率)で運用し続けることができた場合、その子が65才になる頃には、元本と運用益の総額はなんと4億600万円にもなる計算です」(鈴木さん・以下同)
だが、そもそも「毎年110万円も用意できない」という人がほとんどのはずだ。それなら、自分が出せるように減額すればいいだけのこと。半分の55万円ずつにしても、単純計算で2億円にはなる。さらにその半分の27万円ずつでも1億円だ。
「より現実的な金額にするなら毎年10万円でも、充分に効果はあります。110万円の11分の1なので、65才のときにできる資産は単純計算で3700万円。4億円と比べれば小さいですが、毎年たった10万円で、少なくともその子は『老後資金2000万円問題』とは無縁になれるわけです」