5月から電力会社10社の電気代が上がる。例えば東京電力の場合、4月と比べて561円の値上げとなる。相次ぐ値上げにため息を漏らす消費者も少なくないだろうが、その一方で3月29日から、住宅を省エネ化するためのリフォームを行うと、最大200万円もの補助金が受け取れる制度の受け付けが始まっている。光熱費節約にもつながるこのチャンスをどう活かすか──。
申請は施工業者任せで楽だが早い者勝ち
国による「住宅省エネ2024キャンペーン」の受け付けが始まっている。これは、断熱性の向上や高効率給湯器の導入といった住宅の省エネ化を支援することで2050年までにカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること)を実現させることを目指した補助事業の総称だ。
「省エネ住宅の新築やリフォームを行った場合、国から何らかの形で補助が出る制度は今回が初めてではなく、2010年から断続的に行われてきました。今年度、特に活用した方がいい理由は、予算が昨年度の1.4倍も増額となるからです」とは、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。
個人が活用できる制度は、『子育てエコホーム支援事業』『先進的窓リノベ2024事業』『給湯省エネ2024事業』の3つだが、中でも『先進的窓リノベ2024事業』は、断熱窓にリフォームすることで、最大で200万円もの補助が受けられる。しかも申請は、工事を請け負うハウジングメーカーなどの施工業者が行うため、発注者(補助対象者)は、何もしなくてよい。
「ただし、注意すべきことがあります。それは、工事をどこに依頼するのか検討する際、キャンペーン事務局に事業者登録をしている施工業者を選ぶこと。でないと、申請してもらえません」(井戸さん)
登録しているかどうかは「住宅省エネ2024キャンペーン」公式ホームページから検索できる。
工事の時期も気をつけないといけない。リフォームの場合、申請は着工時ではなく完工後なので、締め切りに間に合わない可能性があるからだ。しかも締め切りは予算限度額に達した時点なので早い者勝ちとなる。
「当社でリフォームする場合、通常、契約して2~3か月後に完工して申請となります。完工日がいつになるか、施工業者に事前確認することをおすすめします」(積水化学工業の杉浦弘文さん)