気がつけば、ため息が……。日々の「いちいちうるせえ」腹の立つ出来事に加え、寒暖差の激しい気候や新年度の環境変化も相まって“五月病”に悩む人も増えている。そうした中で楽しく健やかに生き抜くために何をすべきなのか。
「ストレスの原因は、外からの刺激や変化がすべて。それを受けた際に起こる生体反応が、ストレス反応です」と言うのは、日本メンタルアップ支援機構代表で、公認心理師の大野萌子さん。
「五月病の要因となる就職や進学、引っ越しのほか、昇進や結婚などのいい変化も、実はストレスの原因になるんです。
適度なストレスはパフォーマンスの向上につながることもありますが、ストレスが過剰だったり、長く続く場合は問題です。なぜなら、強いストレスは生物にとって非常事態なので、長く続くと神経が高ぶったままの状態になり、不眠やイライラなどを招くことになるからです」(大野さん)
また、池袋オリーブメンタルクリニック院長で精神科医の松島幸恵さんは、「ストレスの影響は体と心と行動に出る」と言う。
「ポイントは、症状は人によって違うということ。私たちの体は腸脳相関といって、脳と腸が連動しているのでストレスが胃腸にくる人も多いのですが、別掲図のように体のあちこちに症状が表れるケースもあります。
心理面では、ストレスが続くと元気や活力が低下し、うつになる危険があり、行動面では、遅刻や休職、万引、ギャンブルなどにつながる場合もあります。
というのも、ストレスがないときは脳の前頭前野が不適切な行動を制御しますが、ストレスがかかると前頭前野の統制が失われるため、思いがけないトラブルを引き起こしてしまうわけです」(松島さん・以下同)