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【空き家となった実家の相続】役所の人が更地化を勧めるのはなぜなのか? なにか釈然としない「相続土地国庫帰属制度」の仕組み

 日本の空き家戸数は900万戸に達し過去最高となった(イメージ)

日本の空き家戸数は900万戸に達し過去最高となった(イメージ)

 相続で取得した実家の処分に頭を抱える人は多い。地方の田舎などでは立地や建物の状態などによって「売りたくても売れない」ケースが多く、空き家となった実家の維持・管理に苦労する人もいる。地方の田舎で一人暮らしをしていた親を看取ったフリーライター・清水典之氏もそんな一人。実家のある自治体の役所の窓口では「更地」にすることや「国庫に戻す」制度の説明を受けたが、その内容に「腑に落ちない」ところがあるという。清水氏が、自身の抱いた疑問について専門家に聞いた。

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 総務省の住宅・土地統計調査の速報集計結果によると、日本の空き家戸数(900万戸)、空き家率(13.8%)は、ともに過去最高を記録している。長年放置された空き家は、風雨にさらされて老朽化し、倒壊のリスクが高まり、害獣や害虫の発生などを招き、周辺の住民に迷惑をかけることがある。不法占拠や不法投棄の対象にもなりやすい。

 全国で空き家が増えている要因はいくつかあるが、もともと親とは離れて住んでいて、相続した実家を処分できず、そのまま放置されるケースが多いと考えられる。

 地方の役所の職員は、空き家が放置されてトラブルの種になることを恐れているのだろうか。母が亡くなり、資産価値がほとんどない実家を相続することになった東京在住の筆者が、地元の役場で登記変更について相談していると、住むつもりがなければ家を解体して更地にしてはどうかと勧められた。

 地元の解体業者がリストアップされた印刷物を渡されて、「一軒家の場合、一般的に解体費用は100万〜300万円くらいですね」と言う。

 さらに、更地にしたうえで、固定資産税10年分程度の負担金を支払うと、土地を国が引き取ってくれる「相続土地国庫帰属制度」のことも教えてくれた。

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