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円広志さんが明かす、亡くなった妻への思い 「死後の整理や手続きは、少しずつ受け入れて消化していくために必要な作業だったのかも」

円広志さんは「手続きに追われる日々がなかったら一気に落ち込んでいた」と振り返る(写真/共同通信社)

円広志さんは「手続きに追われる日々がなかったら一気に落ち込んでいた」と振り返る(写真/共同通信社)

「まさか俺より先に逝くとは」──妻を亡くした男性は口を揃えてそう言う。悲しみに沈むなか、否応なく押し寄せる膨大な手続き、そして向き合う孤独な生活。妻に先立たれた著名人は、最愛の人の死にどう備え、どう乗り越えているのか。タレントでシンガーソングライターの円広志さん(70)が振り返る。

 * * *
 妻(享年69)が亡くなって7月でちょうど1年。彼女の死についてはメディアでほとんど話していません。

 8年前に乳がんがわかり、4年ほど前から延命治療に切り替えました。僕は平日は大阪でテレビの生放送をこなし、週末は故郷の高知にある別荘で過ごす2拠点生活を長く続けていて、元気な頃は毎週妻と車で高知に帰っていました。

 彼女は亡くなる3日前まで元気そうにビールを飲み、死の当日も「しんどいなぁ」と会話はできましたが、その日のうちに容体が急変して亡くなりました。

 当初、葬儀は身内で行なう予定でしたが、やはり訃報を関係者に黙っておくわけにはいかない。最終的には親戚縁者だけでなく、妻の友人や僕の仕事仲間、スタッフまでたくさんの人に参列してもらいました。思い出話が広がって妻の供養になったし、僕自身も皆さんに気をかけてもらって勇気づけられた。葬儀は生きている人のためにあるのだと実感しました。

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