下げ幅4451円──。8月5日、米景気の減速懸念や日銀の金利政策などを背景に1987年のブラックマンデーを超える過去最大の下げ幅を記録した日経平均だが、翌日には過去最大である3217円の上げ幅を見せ、その後も先行きが見通せない乱高下が続いている。
暴落で慌てて「売り」に走った人も多くいたが、経済アナリストの森永卓郎氏は、乱高下相場が始まる前の7月に、手持ちの投資資産をすべて整理したのだという。森永氏はこう話す。
「私は数年前から、遠からず株は下がると警鐘を鳴らしてきました。今年2月に日経平均が史上最高値を約34年ぶりに更新した時や、3月に4万円を超えた時も、『完全にバブル状態でいつ弾けてもおかしくない』と警告しました。
そうした考えから、数年前から少しずつ手持ちの株を処分し、7月12日までに『タカラトミー』株など趣味の関係でどうしても欲しい株主優待がある銘柄を除き、外貨建て債券や外貨建て投信を含め、すべての投資資産を処分しました」
大暴落の原因は、日銀による利上げが大きいと森永氏は分析する。
「世界景気の悪化に伴い英国や米国が利下げで景気を刺激する方向に金融政策を転換するなか、日銀は7月末に政策金利を0.25%程度に引き上げる追加の利上げを決定した。それにより、高すぎる株価の暴落を招いたと考えています」
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