日経平均の乱高下が続いている。8月5日には前週末比4451円安という“ブラックマンデー超え”の過去最大の下げ幅を記録。終値は3万1458円となり、前営業日の8月2日と合わせて6667円安という暴落となった。その後、日経平均は不安定な値動きのなかで3万6000円台まで値を戻したが、この史上稀に見る乱高下に対して、株式投資で1億円超の資産を築いた「億り人」はどう対峙したのか。高配当株投資で総資産1億円超えの兼業投資家・なのなのさんに聞いた。
なのなのさん(年齢は非公開)は、大学時代に元手30万円で株式投資を始め、高配当株を主軸とする投資法に転じた2008年以降、15年連続で黒字を達成。平日は本業のサラリーマン生活を優先する兼業投資家ながら、2021年に保有資産1億円超えを果たしたという。
8月5日の大暴落時に買った銘柄
なのなのさんは8月2日からの暴落を「全然予測できていなかった」と振り返る。株価は上昇基調と見ていたために、前日の8月1日も少しずつ株を買い増している状況だったという。それでも、なのなのさんは落ち着いた対応ができたと話す。
「私は手元の資金による現物買いをするだけで、(自己資金より大きな額を動かす)信用買いはしていないので、慌てる必要はありませんでした。8月2日はもちろん、5日の大暴落時も、いわゆる“狼狽売り”はしていません。株価が下がると配当利回りは上がるので、資金管理をしながら、むしろ冷静に買い増しました」(なのなのさん、以下同)
全面安の展開をむしろチャンスと捉えたのだという。
「特に大暴落した5日は、(通常では買えないような)ものすごく下の値段で指値注文していた銘柄も買えるほど大幅に下落していたので、夜間取引も含めてホンダ(7267)やWeb広告コンサルティングのMacbee Planet(7095)、販促コンサルの平賀(7863)などを120万円ほど買いました。
ホンダと平賀は配当利回りが高まり、高配当株を安く買えるチャンスでした。Macbee Planetは配当ゼロですが、毎年成長している割にPER(株価収益率)が11倍台と割安なグロース(成長)株だったので買いのチャンスと見たんです。私のポートフォリオは高配当株が中心ですが、全体の10%程度は配当とは関係なくグロース株を組み入れています」
兼業投資家のなのなのさんは、8月5日の月曜日もサラリーマンとしての仕事があったわけだが、本業に支障を来すような状況にはならなかったという。
「史上最大の大暴落といっても、明確な悪材料が出たわけではなく、リーマンショックやコロナショックのような危機的事態には陥らないだろうと考えました。だから5日の下のほうの値段で指値注文しつつ、いつも通り仕事をしました。、その指値注文も全力ではなく、翌日以降さらに下げた時も買えるよう余力は残していました。さすがに5日午後の下げは少しヤバいなと思いましたが」