国内各地で“コメ不足”が発生している。スーパーなどの店頭から商品が消え、「令和のコメ騒動」などと報じられ話題を呼んでいる。日本人の主食であるコメの需給が逼迫していることの影響は、多方面に及びそうだ。
スーパーをはしごしてもコメが手に入らず、不安に駆られる声が増している。近畿圏のあるスーパーのコメ売り場では「一家族1点まで」などと張り出されているが、1点どころか棚は空っぽ。店員に聞いても「バックヤードにも在庫がない状態。次はいつ入荷するかはわからない」とするのみ。全国紙経済部記者が言う。
「原因はいくつかあり、まず国の生産調整が続くなかで昨年の猛暑による高温障害があったため、流通量が減っている。また、急増した外国人観光客による日本食需要の高まりも影響しているようです。さらに、小麦粉などの高騰で日本人もパンからコメへの回帰が見られる。年間の米の消費は11万トン増えた。こうした要因が重なり、店頭からコメが消えたと見られています」
品切れにならない店でも価格上昇が見られ、影響は多方面に及んでいるようだ。深刻な事態に直面するのが、“食べることが仕事”とも言われる力士たちが大量のコメを消費する相撲部屋だ。
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