女子大が変化を迫られている。名門といわれた女子大学でも、定員割れや入学難易度が低下。そんな「女子大離れ」とも言える状況の中、変革を遂行し、成果をあげている大学もある。また、今後、新たに学部を設置するなど、まさに改革中の大学も多くある。『中学受験 やってはいけない塾選び』が話題のノンフィクションライター・杉浦由美子氏がレポートする「女子大の苦境と挑戦」。【第4回。第1回から読む】
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女子大が危機的な状況にある。恵泉女学園大学が2023年に募集を停止し、東京家政学院大学は2025年度から共学化をする。また、そうそうたる名門女子大が定員割れや偏差値低下となっている。
女子大苦境の理由のひとつに、女子も総合職、つまり、男性と同じ仕事をするのが当たり前になってきている中で、女子大の既存の学部が受験生のニーズと合わなくなっていることがあげられる。教養を身につける文学部や、家政や保育などの手に職をつける各学部も、実学を求める受験生のニーズとは違ってきている。
そのため、女子大も改革をおこなっている。関東では昭和女子大や共立女子大が金融や建築の学科を設置し、志願者が集まっている。関西ではどうなのだろうか。関西の中学受験を取材していると「女子の夢は医者の妻になることから、自分が医者や薬剤師になることに変化している」と聞いたこともある。