家計

「絵画」「高級車」「高級ワイン」などの資産が“金融リセット後”にも価値を毀損しにくいと考えられる理由

なぜ「絵画」などの資産は“金融リセット後”も価値を大きく毀損しにくいか(イメージ)

なぜ「絵画」などの資産は“金融リセット後”も価値を大きく毀損しにくいか(イメージ)

 不動産コンサルタントの長嶋修氏は、これから訪れるであろう社会の大変革や金融リセットなどを総称して、「グレートリセット」と名付けているが、来るグレートリセット後の不透明で不確実な社会に、私たちはどう対応し、生きていけばよいのか。不動産コンサルタント・長嶋修氏の新刊『グレートリセット後の世界をどう生きるか』(小学館新書)から、実際に著者自身も実践している「高級車」などへの投資について解説する。

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 この大激動期にあって、現金や株式、不動産やゴールド、仮想通貨など多様な資産がある中で、自身の資産を増やすため、あるいは守るために、具体的にどこに、どのような投資をしておけばよいでしょうか。

 ここ2~3年程度の金融市場は原則的に、過去20年程度の延長線上にあります。リーマン・ショック前のプチバブルとその崩壊、そしてそれをリカバーする世界的な大規模金融緩和、そして2020年コロナショック後の天文学的な金融緩和の中で、円やドル、ユーロといった通貨の価値が希薄化し価値を毀損させると同時に、株や不動産などの資産が大きく価値を持つといった流れです。

「金融リセット」が起こるまでの数年は引き続き、ますます通貨の価値が下がる、換言すると資産の価値が上がる、といったことが続きそうです。この時、現時点では大幅な円安圏にある為替が円高に反転するようなことがあった場合、1990年型のバブルが発生する可能性があります。

 ここでは株や不動産以外の資産への投資について考えてみましょう。

富裕層に重宝される資産

「絵画」「高級車」「高級ワイン」といった資産も引き続き、価値を維持ないしは上昇の可能性が高いでしょう。日本国内においてはバブル感の中で、他国においては金融システム不安や自国通貨に対する不安などから選好されるというわけです。

 そして金融リセット後も、大きく価値を毀損することはないと思われます。理由は「ベーシックインカム組」「自分で稼ぐ組」「資産保有組」に所得手段が分かれる中、こうした資産はとりわけ富裕層に重宝される部類に入ると思われるためです。ただしこうした資産にも「三極化の法則(*注)」が働くことには注意が必要です。

【*注/「15:70:15」に分極化する法則性。上位15%は「価値維持ないしは上昇」、中位の70%は「だらだら下落」、下位15%は「無価値あるいはマイナス価値」】

 個人的なことを言えば、資産の大半は「金融リセット後も中長期的に成長の見込める配当株」に投資しています。配当は使わずに株に再投資し、雪だるま式に資産を膨らませるといったいわゆる「雪だるま投資」です。

「複利効果」というのは侮れません。複利効果とは、運用で得た利益を再び投資することで、利益が利益を生み資産が増えるというもの。例えば5%配当のある株に1000万円を投資すると、年間50万円の配当金が入り、税引き後の手取りは40万円です。この40万円を再投資すると、翌年には1040万円に対する配当金の手取り約52万が入ってきます。

 これを繰り返していくと10年後の元金は1420万、20年後には2100万円、30年後には3110万円となります。ただほったらかしておくだけで、足し算ではなく掛け算で増えていくのです。本書は株の指南書ではありませんので、具体的な銘柄選びは割愛します。

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